
「RO膜でどうしてきれいな水が作れるの」「そもそもRO膜が何かわからない」など、RO膜とは一体どのようなものか気になっていませんか?
「RO膜」とはNASAでも使われる高性能なフィルターで、どんな水からでも世界一きれいな水を作れるのが特長です。
RO膜は水しか通さないため、99.99%以上の不純物をろ過することができます。
このページでは、過去に飲料水メーカーで研究開発に関わった私が、RO膜が注目される理由から原理、構造や欠点などをご説明します。
全て読めば、RO膜が注目されている理由から仕組みや構造まで理解できるでしょう。
0. RO膜とは
RO膜(英語名:Reverse Osmosis Membrane)とはNASAでも使われる高性能なフィルターで、どんな水からでも世界で一番きれいな水を作れるのが特長です。「逆浸透膜」とも呼ばれます。
RO膜の”1000万分の1ミリ”の穴は水しか通さないため、海水からでも真水を作れるほど優れたものです。
もともと1950年に米国で海水から真水を作るプロジェクトとしてスタートし、現在では産業用から家庭用まで幅広く活用されています。
※RO膜のメーカーは世界でも限られており、日本では東レ、日東電工、東洋紡など、海外では米国のダウ・ケミカル社、GEなどが有名です。
1. RO膜が注目される2つの理由
水不足を解消するために海水から真水を作ったり、また医療や半導体産業向けの純水を作るために、高性能なフィルターは常に求められてきました。
しかし、どのフィルターも「どうしても取りきれない不純物が残ってしまう」という問題がありました。
その中で世界中で注目されているのが「RO膜」であり、以下の2つの理由から様々な場面で活用されています。
- 海水や水道水からも、綺麗な水(純水)を作れること
- フィルターが目詰まりしにくく、衛生的で長持ちすること
それではRO膜の特長を順にご説明します。
1-1. 海水や水道水からも、綺麗な水(純水)を作れること
RO膜は世界で最も優れたろ過膜として水しか通さないため、水中の不純物をほぼ完全に除去できるのが特長です。
以下の通り、「ヒ素、ダイオキシン、放射性物質」などの有害物質は小さ過ぎて一般的なフィルターでは除去できませんが、RO膜を使えば除去できます。
そのため、不純物をほぼ完全に取り除いたきれいな水が必要な時にはほぼ必ず「RO膜」が活用されています。
1-2. 目詰まりしにくく、衛生的に長く使えること
RO膜は家庭用向けでは浄水器やウォーターサーバーにも使われています。
後ほど詳しくご説明しますが、ろ過膜の中でも目詰まりしにくい方式を採用しているため、汚れがたまりにくく長く使えます。
例えば、浄水器やウォーターサーバーなどのRO膜は「数年に1回程度」交換するだけで長期間使えるものが多いです。
2. RO膜が水をきれいにする仕組み
RO膜が水をきれいにする仕組みを理解していただくために、「浸透圧」と「逆浸透圧」をご説明します。
例えば、「食塩は通さないけど水だけ通れるフィルター」で仕切られた容器に、食塩水ときれいな水をそれぞれ両側に入れます。
そうすると、食塩水の濃度を薄めるため自然に水が吸い込まれて、食塩水の水面が高くなります。
引用:看護roo!
この時に発生する圧力が「浸透圧」です。
逆に、食塩水に大きな圧力をかけると、食塩水の中の「水だけ」が反対側に押し出されて、きれいな水が増えます。
引用・参考:看護roo!
これを「逆浸透圧」といいます。この時きれいな水を作るために使われるフィルターが『RO膜』です。
3. RO膜を使ったろ過装置の基本構造
RO膜を使ったろ過装置は、ろ過効率を高めるために筒の中にRO膜などを何重にも巻いた構造をしています。
そして筒状の片側から、一定の圧力をかけて原水(ろ過に使う水)を送るときれいな水だけが筒の中央部に集まるようになっています。
続いて、筒の中でRO膜でどのようにろ過されているか、詳しくみてみましょう。
以下の通り、原水のうち水だけがRO膜を通過し徐々に中央部に浸透する一方、ろ過されず不純物の混ざった水はまっすぐそのまま流れて分離され、最終的に廃棄されます。
引用・参考:just
ちなみに、本物のRO膜は以下の通りで、後ほどRO膜を使った海水淡水化装置の画像もご紹介します。
引用:seiseisui
RO膜のろ過方法:「クロスフロー方式」
詳しく知る必要はありませんが、RO膜のように原水をろ過膜と並行に流して一部だけろ過する方法を「クロスフロー方式」と呼びます。
RO膜は膜を通過しなかった塩分などを連続的に洗浄しないと、水が膜を透過できなくなるため、この方式を採用しています。
4. RO膜の用途よくある2つのパターン
もともとRO膜は海水から真水を作る目的で1950年に研究がスタートし、現在では産業用から家庭用まで幅広く活用されています。
4-1. 産業用、上下水用
最も多い用途は「海水の淡水化装置」とされており、その他にも完全な純水が必要な医療現場や半導体製造工場などでも利用されています。
引用:沖縄企業庁
例えば、国内でも水不足に悩んだ沖縄県や福岡県など海水淡水化施設が導入された事例があります。
さらに、国内で水道水を作るための浄水施設でRO膜が使われた事例は200件以上あります。
4-2. 家庭用向け
家庭用向けには「浄水器」や「ウォーターサーバー」などでも活用されています。
そして最近では浄水器やウォーターサーバーの1つのタイプとしてRO膜が徐々に認識されつつあります。
5. RO膜の2つの欠点
RO膜に何か欠点などがあるのか気になる人のために、以下の2点をまとめました。
- 大量の排水が出ること
- 値段が高いこと
それではRO膜の欠点を順にご説明します。
5-1. 大量の排水が出ること
先程ご説明した通り、RO膜でろ過するときれいな水と一緒に一定量の「排水」が生じます。
例えば、RO膜を使った浄水器は「水道水を1L浄水するために、2.5L程度の排水」が生じるものもあるなど、実際に飲むより多くの水道水がただ捨てられてしまいます。
この点については、排水が少ないとRO膜はうまくろ過できないためやむを得ないと言えます。
5-2. 値段が高いこと
RO膜メーカーのコスト削減で値段は下がってきてはいるものの、一般的なフィルターやろ過膜と比べるとかなり高いです。
例えば、一般的な浄水器の初期費用は3000〜5000円程度ですが、RO膜を使った浄水器は「10万円〜数十万円」と高額です。
さらに、RO膜を交換するランニングコストも他の浄水器より高額なので、ご自宅に設置を考えている人は留意しましょう。
そうは言ってもRO膜でろ過した水を家で飲みたい人のために、手軽に飲む方法を次の章でご紹介します。
6. RO膜でろ過した安全な水を手軽に飲む方法
RO膜でろ過した安全な水を飲みたい人のために、すぐにでも始められる手軽な方法をご紹介します。
6-1. RO膜でろ過した安全な水を飲むなら「ウォーターサーバー」がおすすめ
RO膜でろ過した水を手軽に飲みたい人は、「ウォーターサーバー」がおすすめです。
RO膜を使った浄水器もありますが初期費用が高額ですが、ウォーターサーバーからなら初期費用0円で手頃な価格で使うことができます。
さらにウォーターサーバーなら、RO水を自宅にとどけてもらえるため、ペットボトルを買う必要がなくなるので便利です。
ただし、ウォーターサーバーには強み・弱みがあるため、きちんと比較して選ぶことをおすすめします。
6-2. RO水ウォーターサーバーの徹底比較とおすすめ
ここではRO水を飲める代表的ウォーターサーバー3種を比較してわかったおすすめをご紹介します。
ウォーターサーバー選びで特に大切な「電気代込みの月額トータルコスト、使いやすさ、契約」を軸に比べたのが以下です。
(税込) | 月額トータルコスト | 使いやすさ | 契約 |
アルピナウォーター
| ☆ 4171円 | ◎ 8L軽量ボトル | ◯ 月24L |
クリクラ![]() | ◎ 4536円 | △ 重たい12Lボトル | ◎ 月24L |
アクアクララ![]() | ◎ 4428円 | △ 重たい12Lボトル | ◎ なし |
上記の月額トータルコスト(月24L換算/税込):水代+レンタル代など+電気代
上記の「契約」:ノルマ(毎月の最低利用量)、契約期間
上の通り、月額トータルコストが最も安くて、特に使いやすい『アルピナウォーター』をおすすめします。
RO水ウォーターサーバーのおすすめ:アルピナウォーター
RO水が飲めるウォーターサーバーは多いですが、主要20社を徹底比較してわかった最もコスパが最い『アルピナウォーター』は、RO膜でろ過した安全な水を飲めるためおすすめです。
『アルピナウォーター』はRO膜で不純物をすべて除去したピュアウォーターが飲めて、コスパが最も高いのが特長です。
ウォーターサーバーでは数少ない「ピュアウォーター」であり、赤ちゃんに最も優しい水なので、赤ちゃんのために使いたい人には特におすすめします。
月額トータル(電気代込み) | 初期費用 | 申込可能場所 |
月24L換算: 税込4171円 | 0円 | 公式ページ |
ちなみに、申込む前に実際に試してみたい人には、『クリクラ』の無料1週間試しキャンペーンをおすすめします。私も利用したことがありますが、仮に継続しなくても追加費用や強引な勧誘はないため安心です。
もしRO水の他にも、美味しい天然水を飲めるウォーターサーバーも見てから選びたい人は「人気8種を使ってわかったウォーターサーバーおすすめランキング」のページを参考に選ぶことをおすすめします。
7. まとめ
ここまでRO膜の仕組みやおすすめのウォーターサーバーまで詳しくご説明してきましたが、いかがでしたか?
RO膜は海水を真水に変えるほど高性能なフィルターで、産業用から家庭用まで様々な場面で活用されています。
RO膜は高純度の純水を作り出すことで、私たちの現代社会を様々な形で支える大切な存在であることがご理解いただけたと思います。
最後にこのメージをまとめると以下の通りです。
- RO膜はNASAでも使われる高性能なフィルターであること
- RO膜でろ過された水は安全できれいな水であること
以上を参考にあなたがRO膜について正しく理解できることを心より願っています。